ペンギンの話

ペンギンのことをつらつら書いていきます。

美しいペンギンの姿に胸おどる。水口博也、長野敦編著『絶景・秘境に息づく世界で一番美しいペンギン図鑑』

ペンギンを扱った図鑑は多く刊行されています。

精彩な写真を大きく、豊富に配したビジュアル重視のものが多くありますが、そのなかでもとくに美しいのが、水口博也、長野敦編著の『絶景・秘境に息づく世界で一番美しいペンギン図鑑』(誠文堂新光社)です。自分で一番って言うのかよ、と突っ込む気持ちが起こらないくらいに、まあ美しい写真が目白押し。撮影している著者の1人が鯨類の写真集や図鑑で高い評価を受けている水口博也さんなのですから当然といえば当然なのかもしれませんが、息を飲むページの連続です。見開きで配された仲睦まじそうなマカロニペンギンのつがいの写真など、額に入れて飾っておきたいと思える美しさ。背景まで綺麗に写った写真も多いので、ペンギンたちの暮らしている環境がよくわかります。

重要な点が、これが写真集ではないということです。ペンギン各種の生態やペンギンの進化、保全状況、コラムでは外来種がペンギンに与える影響など、学術的な事柄もしっかりと書かれており、しっかり「図鑑」としての役割を果たしてくれます。著者の2人のいずれもが、大学で正規の生物学教育を受けたのち、写真家・研究者として二足の草鞋を履きこなしてきた人物ですから、これも当然といえば当然ですが、まさに、「一粒で二度美味しい」本なのです。定価2400円で、写真集と図鑑のどっちも手に入ると考えれば、なんともお得といえるでしょう。

ペンギンに興味を持ったけど、どんな本を買えばいいかわからないよ、という人は、まずここから入るとよいのではないかと思います。

美しい。