アクアパーク品川のペンギン
マルセルアクアパーク品川は、品川プリンスホテル内にある水族館です。水槽のアクリル自体をタッチスクリーンにして生き物を解説するインフォグラフィックスを流すなど、映像技術を最大限に駆使しており、ほかの水族館とはひと味違った体験をすることができます。
施設内にはジェットコースターやバイキングなどのアトラクションも設置されており、小規模ながらも充実した空間となっています。1階にはカフェバーまで。品川駅から徒歩2分という立地もあり、優れたレジャー施設と言えるでしょう。
運営母体は八景島シーパラダイスと同じ西武グループで、そのため展示されているペンギンもほぼ共通しており、ジェンツーペンギン、オウサマペンギン、イワトビペンギン、ケープペンギンの4種を見ることができます。都内ではもっともたくさん種類のペンギンを見ることができる水族館であり、八景島が遠いペンギン好き(筆者)にとっては嬉しい場所のひとつです。
埼玉県こども動物自然公園「ペンギンヒルズ」
埼玉県こども動物自然公園は、1980年に開園した埼玉県最大の動物園です。200種1600点の動物が展示されており、日本では9園でしか展示されていないコアラも見ることができます。
そんな埼玉県こども動物自然公園の目玉展示のひとつが、世界最大級のフンボルトペンギン生態園「ペンギン・ヒルズ」。チリのチロエ島にあるプニウィル保護区をモデルに、フンボルトペンギン本来の生息環境を再現した屋外展示です。
ペンギンは南極の生き物、というイメージが強く、過去には動物園や水族館でも、種類にかかわらず氷山を模した展示でペンギンを展示することがほとんどでした。しかし、実際に南極大陸に分布するのは、全19種のペンギンのうちコウテイペンギン、アデリーペンギン、ジェンツーペンギン、ヒゲペンギンの4種のみ。ほとんどのペンギンは、氷山とは縁のない場所で暮らしています。なかでもフンボルトペンギンの生息地は、およそ南緯5度から南緯42度という日本とほぼ変わらない温帯域です。彼らは、南極の氷の上ではなく、ペルーやチリの草原や林の中に、穴を掘って巣を作り、暮らしています。「ペンギン・ヒルズ」はそんなフンボルトペンギン本来の暮らしぶりを知ることができる施設なのです。
しかも、来園者は展示の中へ入り、手を伸ばせば届きそうな距離で彼らを観察することができます(実際には、ペンギンに触ったり彼らの邪魔をしてはいけません)。もちろん、日本でもっとも飼育頭数が多く、馴染みの深いフンボルトペンギンについて、もっともよく知ることができる、そんな施設といえるでしょう。
「ペンギンヒルズ」は、2011年にチリ共和国のサンチアゴ・メトロポリタン公園から「フンボルトペンギン生息域外特別保全施設」の指定を受けました。また、同じく2011年に、市民ZOOネットワークが主催する「環境エンリッチメント大賞」(動物福祉、動物本来の姿を見せるという動物園の指名に基づき、飼育動物のための展示環境づくりに尽力した動物園・水族館に送られる賞)の施設賞を受賞しています。日本でペンギンといえばここ、といえる施設かもしれません。
こんな姿もなかなかみることができないでしょう。
片野ゆかさんの『動物翻訳家』(集英社)では、このペンギンヒルズがどのような経緯で、どのような思いのもとに作られたのか、担当飼育員への取材をもとに詳しく綴られています。読んでみると、ペンギンヒルズでの体験がより深いものになるかもしれません。
埼玉県こども動物自然公園 Saitama Children's Zoo
井の頭自然文化園のペンギン
井の頭自然文化園は、吉祥寺は井の頭公園の一角にある動物園です。同じく東京動物園協会が運営する恩賜上野動物園に並ぶ大型動物園として計画されましたが、当時は戦時中であったため物資と予算が集まらず、「自然生態観察園」としてオープンしました。そのため、日本の野山で見られる身近な動物が展示の中心となっています。
大型動物としては、2016年までアジアゾウの「花子」が飼育されていました。戦後初めて、タイから贈られた個体で、はじめは上野動物園で、1954年から、井の頭自然文化園で暮らしてきました。享年69歳で、日本で飼育されたゾウの中で最長寿記録となっています。
ペンギンの仲間では、フンボルトペンギンが飼育されています。
東山動植物園のペンギン
名古屋市の東山公園内にある東山動植物園は、飼育種数日本一を誇る動物園です。敷地面積も最大級で、恩賜上野動物園、旭山動物園に匹敵する入場者数を誇ります。「自然動物館」の爬虫両生類展示は国内有数の規模で、世界中のメダカの仲間を集めた「世界のメダカ館」などユニークな展示もあり、私が気に入っている動物園のひとつです。
ペンギンの仲間は、フンボルトペンギンを主体にオウサマペンギン、キタイワトビペンギンが展示されています。
www.higashiyama.city.nagoya.jp
油壺マリンパークのペンギン
神奈川県内には、横浜・八景島シーパラダイス、新江ノ島水族館という大型で先進的な施設を備えた水族館が多く存在します。油壺マリンパークは、両雄の影に隠れがちですはあるものの、ペンギン飼育という観点では、それらに勝る実績を誇る水族館です。
飼育されているのはキタイワトビペンギン。イワトビペンギンの仲間を飼育する水族館は多数ありますが、そのほとんどはミナミイワトビペンギンで、キタイワトビペンギンを飼育している水族館はあまりありません。油壺マリンパークはそんな貴重な水族館のひとつです。
しかも、油壺マリンパークは、キタイワトビペンギンの2世代にわたる繁殖に成功しています。ペンギンの飼育実績としては文句なしにトップクラスといえるでしょう。
キタイワトビペンギンの冠羽はミナミに比べて長く豊富で、見応え抜群。一見の価値ありです。
東武動物公園のペンギン
東武動物公園は、動物園と遊園地が一体となったテーマパークです。世界初の水上木製コースター「レジーナ」や、「カワセミ」などスリリングなアトラクションから、小動物に癒されるふれあい動物園まで揃い、幅広い客層が楽しめるようになっています。
ニコニコ動画に公式チャンネル「ZOOっと友達チャンネル」を開設しており、ネットを介しても園内の様子を紹介してファンを集めている、情報発信の得意な動物園でもあります。
人気アニメ「けものフレンズ」ともっとも多くのコラボを開催しており、ファンの間では、「けものフレンズ」といえば東武、というイメージができあがっているかもしれません。最初のコラボで設置された「フルル」(フンボルトペンギンのキャラクター)のパネルに恋(?)をしたグレープ君は日本のみならず世界中の注目を集め、一躍有名となりました(高齢であったため2017年10月に亡くなってしまいましたが)。
東武動物公園では、そんなフンボルトペンギンに加え、オウサマペンギンが展示されています。
すみだ水族館のペンギン
すみだ水族館は、東京スカイツリーの足元にある都市型の水族館です。コンパクトで飼育点数はそれほど多くはないですが、内装や照明がスタイリッシュでデートにはうってつけのスポットとなっています。
目玉の展示はペンギン水槽。日本最大級の屋内プールにたくさんのマゼランペンギンが飼育されており、間近でその姿を観察することができます。水中を泳ぐ様子も、曇りのないアクリル越し(ペンギン水槽として珍しい)に見ることができ、しかもペンギンたちは人に興味を持って寄ってきてくれます。1種だけの展示ではありますが、ペンギンをじっくり観察するにはもってこいでしょう。
すみだ水族館のペンギンたちは、やれBLだ三角関係だと、話題に事欠かないのも楽しいですね。餌やりタイムには各個体の性格や関係性が紹介され、聞いていると親近感が湧いてきます。
水槽の周りにはイルカなどのショープールのように座席が設けられており、そこに座ってゆったりと観察することもできます。21時まで開いているので、仕事帰りにふらっと寄ることも可能。ペンギン好きにとっては、都会のオアシスのような場所といえるでしょう。
すみだ水族館公認ガイドブック 飼育員だけが知っているペンギンたちの秘密の生活
- 作者: 中田啓子
- 出版社/メーカー: (株)文踊社
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