ペンギンの話

ペンギンのことをつらつら書いていきます。

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

博物館へ行こう。

私はずっと、首都圏で暮らしてきた。 首都圏には、大きな動物園や水族館がたくさんある。世界三大珍獣(オカピ、ジャイアントパンダ、コビトカバ)がすべて揃っている上野動物園や、リカオン、オセロット、キノボリカンガルーなどほかでは見られない動物を多…

加速装置としてのけものフレンズ

『けものフレンズ』には、動物に関する情報の流通を加速・増大させるはたらきがあると思うのである。それが、このコンテンツのいいところのひとつだと感じている。

海を飛んでいるのは誰か。

ペンギンは「海の中を飛んでいる」と表現されることがあります。いささか詩的に過ぎる表現かもしれませんが、実際、フリッパーを羽ばたかせて水の中を矢のように進んでいく様子は水の抵抗を感じさせないほど軽やかで、「飛翔」と呼ぶに相応しいように思われ…

独断と偏見のペンギン図鑑4:フンボルトペンギン

基本データ 和名:フンボルトペンギン 英名:Humboldt penguin 学名:Spheniscus humboldti 体長:65〜70cm 分布:ペルー北部のフォカ島からチリのメタルキ島にかけての大陸沿岸部と周辺の島々 生息状況:準絶滅危惧種。推定個体数2万つがいほど 特徴1:日本…

「脱絶滅」に意味があるのか。M・R・オコナー『絶滅できない動物たち』

「人新世」という言葉がある。2000年にドイツの大気化学者ポール・クルッツェンが提唱した、地質時代の一区分を指す言葉である。完新世後の人類の大発展に伴い、農業や工業といった人類の活動が地球環境に大きな影響を与えるようになった時代と定義される。…

勝手にガイドツアー:いろいろな魚の泳ぎ方(葛西臨海水族園)

実際の水族館の展示を素材にして勝手に架空のガイドツアーを行う企画第1段、今回は葛西臨海水族園の展示を見ながら魚の泳ぎ方について解説してみたいと思います。なお、タイトルの通り内容については私が独自に作っているものであり、葛西臨海水族園公式とは…

ペンギンの食事について

動物の体の作りや行動には、その動物が歩んできた進化の「れきし」と、その動物が今、営んでいる「くらし」が色濃く反映されています。「れきし」や「くらし」を知ることで、その動物について、より深く、理解することができるようになります。 動物たちの「…

独断と偏見のペンギン図鑑3:アデリーペンギン

基本データ 和名:アデリーペンギン 英名:Adelie penguin 学名:Pygoscelis adeliae 体長:70〜73cm 分布:南極周辺、南極大陸沿岸と、ロス海のロイズ岬から北へプーペ島までの大陸周辺の島々 生息状況:準絶滅危惧種。237万つがいほど。 特徴1:ザ・ペンギ…

動物の心に迫る本。日本動物心理学会監修『動物たちは何を考えている?』

私は今、2匹の猫と暮らしている。 猫たちを眺めていると、ときに物思いにふけるような顔で外を見ていたり、見慣れないおもちゃを前にどうしたものかと思案しているような様子を見せたりと、内面の動きを感じさせる様子が見られることがある。高いところによ…

独断と偏見のペンギン図鑑2:コウテイペンギン

基本データ 和名:コウテイペンギン 英名:Emperor penguin 学名:Aptenodytes forsteri 体長:100〜130cm 分布:南極とその周辺、南緯54〜78度の範囲。ロス海域、ウェッデル海、東南極に大規模なコロニーがある。 生息状況:準絶滅危惧種。23万8000つがいほ…

もっとも詳細なペンギン図鑑。デイビッド・サロモン『ペンギン・ペディア』

本屋さんに行くと、さまざまなペンギン関連書籍を見つけることができます。写真が美しかったり、最新の分類基準にしたがっていたりとそれぞれに魅力がありますが、その中でペンギン1種あたりの「情報量」のナンバーワンを挙げるとしたら、デイビッド・サロモ…

独断と偏見のペンギン図鑑1:ジェンツーペンギン

基本データ 和名:ジェンツーペンギン 英名:Gentoo penguin 学名:Pygoscelis papua 体長:75〜90cm 分布:南緯46〜65度の亜南極の島々および南極半島。フォークランド諸島、サウスジョージア島、ケルゲレン島に最大規模のコロニーがみられる。 生息状況:…

「ペンギン」の語源について

「ペンギン」という言葉を知らない日本人は、おそらくいないことと思います。この言葉を聞けば誰しもあのずんぐりとした飛べない鳥をすぐ思い浮かべるでしょうし、逆に「これはなんだ?」と写真などを見せられれば、即座に「ペンギン」と答えることができる…

ようこそ最強の沼へ。

けものフレンズ2の第7話で、プロングホーンのフレンズが登場しました。分類の複雑な偶蹄類に属し、知名度もそれほど高くないと思われる動物ですが、フレンズの出で立ちや性格から興味を持った人が、それなりに現れたように思います。 プロングホーンは、走行…

動物園のためにできること。川端裕人・本田公夫著『動物園から未来を変える』

川端裕人・本田公夫著『動物園から未来を変える ニューヨーク・ブロンクス動物園の展示デザイン』(亜紀書房)を読む。 『動物園にできること』『ペンギン、日本人に出会う』といった著書を持ち、動物園・水族館に造詣の深い作家である川端裕人さんが、アメ…