ペンギンの話

ペンギンのことをつらつら書いていきます。

サンシャイン水族館のペンギン「天空のペンギン」

ペンギンは「飛べない鳥」である。

多くの人は、きっとそう思っていることでしょう。

某有名ペンギンアイドルユニットですら、「飛べない」ことを何度も歌わされています。

まあ、無理もないことです。確かに、よちよちとたどたどしい足取りで歩く姿を見たら、「この生き物が飛べる」などとは到底思えません。

しかし。

ペンギンは飛ぶのです。

もちろん、空は飛べません。でも、その代わり、ペンギンたちは、海を飛ぶ。

「泳ぐ」の間違いでは、という人もいるでしょう。そういう人は、ぜひ、水の中のペンギンたちを見て欲しい。

水の中で羽ばたいて、巧みに「泳ぐ」鳥類はたくさんいます。カツオドリやツノメドリ、ウミスズメの仲間。いずれも魚を捕まえることができるほどの泳力の持ち主です。

しかし、ペンギンは、彼らとは一線を画します。水中でのペンギンの動きは、彼らとは明らかに違う。羽ばたくたびに体が上下に振れ、ロスの生じるカツオドリたちとは異なり、ペンギンたちは、滑るように一直線に、水の中を進んでいくのです。それこそ、空中を滑空するカツオドリのように。カツオドリたちの動きを「泳ぎ」とするなら、ペンギンの動きはまさしく「飛翔」。ペンギンは、「空を飛ぶことをやめて海を泳ぐことにした鳥」ではなく、「空を飛ぶことをやめて、海を飛ぶことにした鳥」なのです。

そのことを、もっとも実感できるのが、池袋のサンシャイン水族館にある「天空のペンギン」展示です。この展示では、頭上を覆い、向こう側に副都心の摩天楼と大空を臨む水槽の中を飛び回るケープペンギンたちを見ることができます。スイスイと動き回るその様子は、本当に摩天楼の間を飛び回っているよう。「ペンギンが空を飛んでいる」と表現してもまったく違和感のないその光景を目にすれば、「ああ、彼らは普段、海の中を飛んでいるのだ」と、自然に納得できることでしょう。

ペンギンのイメージといえば「かわいい」ですが、ぜひともここで、戦闘機のように「かっこいい」ペンギンを見てあげて欲しい、と思います。

ケープペンギン

ケープペンギン

 

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ペンギンたちがまるでビルの間を飛んでいるように見える。



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