目的別おすすめペンギン動物園・水族館(首都圏版)
以前、ペンギンの種別におすすめの動物園・水族館を紹介しました。
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今回は、少し趣向を変えて、ペンギンを見る目的別に、私がおすすめしたい動物園・水族館を紹介したいと思います。
たくさんの種のペンギンを見たい
日本の動物園・水族館で飼育されているペンギンは全部12種。しかし、残念なことに、この12種を一度に見ることができる動物園・水族館はありません。それでも、できるだけたくさんの種を一度に見たいと思う方もいらっしゃるでしょう。そんな方におすすめなのが、この水族館です。
横浜・八景島シーパラダイス(横浜市金沢区)
長崎ペンギン水族館の9種、アドベンチャーワールドの8種には及びませんが、アクアミュージアムとふれあいラグーンを併せて全6種と、首都圏では最多種数のペンギンを展示しています。うちわけは、オウサマペンギン、アデリーペンギン、ジェンツーペンギン、ミナミイワトビペンギン、マゼランペンギン(ここまでアクアミュージアム)、ケープペンギン(ふれあいラグーン)。とくにアデリーペンギンは、東日本では八景島でしか見ることができません。
アクアミュージアムのペンギン展示エリアにはペンギンの生態を解説したパネルや、飼育していない種を含めたペンギン全種の分布マップなども展示されており、ペンギンについて学ぶこともできます。
詳細はこちらをご覧ください。
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珍しいペンギンを見たい
「珍しい」の基準はいろいろで、種として希少ということであれば日本全国津々浦々で見ることのできるフンボルトペンギンやケープペンギンがいちばんということになるかもしれませんが、ここでは日本ではなかなかお目にかかれないという意味で「珍しい」ペンギンの見られる施設を紹介したいと思います。
葛西臨海水族園(東京都江戸川区)
葛西臨海水族園では、オウサマペンギン、ミナミイワトビペンギン、フンボルトペンギン、コガタペンギンの4種のペンギンが展示されています。このうちコガタペンギンは、赤ちゃんペンギンと間違われてしまうほど小さい、世界最小という特徴的なペンギンです。国内では仙台うみの杜水族館、アドベンチャーワールド、長崎ペンギン水族館と葛西臨海水族園でしか飼育されておらず、首都圏ではここでしかみることができません。葛西臨海水族園ではコンスタントに繁殖しており、幼鳥の姿を頻繁に見ることもできます。
詳細はこちらをご覧ください。
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横浜・八景島シーパラダイス(横浜市金沢区)
前述のとおり、横浜・八景島シーパラダイスは、アデリーペンギンを展示している東日本唯一の水族館となっています。
箱根園水族館(神奈川県足柄下郡)
箱根園水族館では、オウサマペンギン、ジェンツーペンギン、ミナミイワトビペンギン、マカロニペンギンの4種を展示しています。このうちマカロニペンギンは、国内の飼育下個体群の高齢化が進んでおり、飼育下繁殖の取り組みが行われていますがうまくいっておらず、近い将来、日本では見られなくなってしまう可能性の高いペンギンです。仙台海の杜水族館、市立しものせき水族館海響館、長崎ペンギン水族館と箱根園水族館でしか展示されておらず、首都圏ではここでしか見ることができません。
非日常感を味わいたい
動物園の展示手法のひとつに、「ランドスケープイマージョン」というものがあります。徹底的に動物の生息地の環境を再現した展示を、来園者の通る通路とシームレスに(感じられるように)造り、まるで実際に動物の生息地を訪れたかのような体験を提供する展示です。日本の動物園・水族館に完全なランドスケープイマージョンと言える展示はほとんどありませんが、それに近い非日常感を堪能することのできる施設を紹介します。
埼玉県こども動物自然公園(埼玉県東松山市)
近年、ペンギンの生息地を模したウォークスルー型の展示施設が各地に作られていますが、そのはしりとなったのが埼玉県こども動物自然公園にあるフンボルトペンギン生態園「ペンギンヒルズ」です。南米チリにあるチロエ島、通称「緑のペンギン島」の環境を本物の植栽で再現したペンギンヒルズでは、野原や林の中でのびのびと暮らす自然なペンギンたちの姿を見ることができます。来園者はその施設の中に入り、まるでチロエ島を訪れたかのような感覚を味わうことができるようになっています。
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よこはま動物園ズーラシア(横浜市旭区)
よこはま動物園ズーラシアは、動物の生息地にできるだけ近づけ、自然下に近い動物の姿を見せる「生態展示」をテーマにした動物園で、前述の「ランドスケープイマージョン」の手法が部分的に取り入れられています。フンボルトペンギンの展示施設がそのひとつで、観覧エリアからは展示の外の世界が(空を除いて)擬岩や樹木で巧妙に隠され、送電線なども見えず、森の中のロッジの窓越しに野生のフンボルトペンギンを観察しているような錯覚を覚える展示となっています。
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間近でペンギンが見たい
ペンギンの展示は、アクリルガラスで隔てられていたり、間にプールがあったりして、少しペンギンとの距離を感じてしまうようなことも少なくありません。もっと近くでペンギンを堪能したい、という方へおすすめの施設を紹介します。
埼玉県こども動物自然公園(埼玉県東村山市)
前述のとおり、埼玉県こども動物自然公園の「ペンギンヒルズ」は、来園者が中に入ることのできる(バードハウスのような)ウォークスルー型の展示です。そのため、来園者は何にも隔てられず、間近でペンギンを観察することが可能となっています。人間のほうから追いかけたり、触ったりすることは禁止ですが、向こうから近づいてきてくれれば、ほとんどゼロ距離でペンギンを見ることができます。
京急油壺マリンパーク(神奈川県三崎市)
京急油壺マリンパークでは、よく見かけるミナミイワトビペンギンに比べて比較的珍しいキタイワトビペンギンを飼育しています(冠羽の長さがずっと長く立派なのでひとめで違いがわかります)。飼育下でキタイワトビペンギンの累代飼育(3世代目の誕生)を成功させている唯一の水族館です。ここでは有料・予約制となりますがペンギンのふれあい体験を実施しており、ペンギンの羽毛の感触を直に触って確かめることができます。
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ペンギンの泳ぎを堪能したい
ペンギンといえば飛べない代わりに海の中をとてもたくみに泳ぐ鳥。その姿は「海を飛んでいる」と表現しても差し支えありません。そんなペンギンの真骨頂である「泳ぎ」を堪能できる水族館を紹介します。
サンシャイン水族館(東京都豊島区)
言うまでもなく、「天空のペンギン」で有名な水族館です。来園者の頭上を覆うような水槽越しに池袋の街並みが見え、まるでビルの谷間をペンギンが飛んでいるかのような光景を楽しむことができます。
「ペンギンは海の中を飛んでいる」というのは日本のペンギン学の祖、青柳昌宏先生が残した言葉ですが、その真髄を堪能できる展示といえるでしょう。
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葛西臨海水族園(東京都江戸川区)
さきほども紹介した葛西臨海水族園は、毎日の餌の時間に、100羽を超えるフンボルトペンギンたちがダイナミックな「ペンギン・トルネード」を作ることで有名です。飼育員さんがプールの中に投げ込む餌を追いかけて、ペンギンたちがぐるぐると渦を巻くように泳ぎ、実際にプールの中に水の渦ができるほどの流れを作り出します。その様子は壮観で、ペンギンの野生動物としてのたくましさ、力強さを感じさせてくれます。半地下の通路から水中の様子を、地上からは水面の様子を、両方観察することが可能です。
以上、さまざまな目的別で、おすすめの動物園・水族館を紹介させていただきました。
お盆休みは終わってしまいましたが、もうすぐ秋の行楽シーズンがやってきます。その際のお役に立てれば幸いです。